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初めて管理薬剤師になったら、患者さんの目で薬局を見てみよう|待合室から気づく改善のヒント

薬局教育部の顔(考える女)

自分の薬局って、患者さんからどんなふうに見えているんだろう?

そんなことを考えたことはありますか?

毎日働いている薬局ですから、スタッフの様子も、仕事の流れも、薬局の雰囲気も、よく分かっているつもりになりますよね。

でも、ちょっと待ってください。それは、カウンターの内側から見た薬局の姿ではないでしょうか。

実は、患者さんが座っている待合室から薬局を見ると、思っている以上にいろいろなことが見えてきます。

スタッフの表情、話し声、患者さんへの声かけ、仕事の進め方。

私自身、長年エリアマネージャーとして複数の薬局を訪問する中で、患者さんの立場から薬局を見る機会がありました。

そこで感じたのは、

薬局教育部の顔(考える男)

えっ、こんなに中の様子が見えているの?

という驚きです。

話し声も思った以上によく聞こえる。スタッフ同士の雰囲気まで伝わってくる。正直なところ、ちょっとゾッとしました。

普段、自分たちが何気なくしていることも、患者さんからは見えているんですね。

今回は、管理薬剤師として身につけておきたい「患者さんの目で薬局を見る」という視点について、一緒に考えてみましょう。

難しいことを覚える必要はありません。

この記事を読み終えたら、ぜひ一度、待合室に座って自分の薬局を眺めてみてください。きっと、何か新しい発見があると思います。

初めての管理薬剤師・薬局長|STEP2 / 8

✅今回のテーマ
患者さんの目で見る
✅今回の目的
患者さんの立場から自分の薬局を観察し、良いところと気になるところを発見する。
✅今回の実践
待合室に座り、良いところと気になるところを記録する。
✅前STEPから使うもの
STEP1で学んだ「薬局全体を見る視点」。

※このSTEPから読み始めても大丈夫です。今回の実践だけでも取り組める内容になっています。

管理薬剤師に「患者さんの目」が必要な理由

STEP1では、自分の仕事だけでなく、薬局全体を見ることの大切さについて考えました。

初めて管理薬剤師になったら何をする?まず身につけたい「薬局全体を見る視点」

調剤や服薬指導を正確に行うことはもちろん大切です。でも、管理薬剤師になると、それだけではありません。

自分がきちんと仕事をしているかだけでなく、薬局全体として患者さんにどのような医療やサービスを提供できているか。

そこにも目を向ける必要があります。

例えば、スタッフは一生懸命に仕事をしている。調剤も監査も、必要な確認をしながら進めている。それでも、待合室では患者さんが何度も時計を見ているかもしれません。

「あと、どれくらい待つんだろう?」「忘れられていないかな?」そんなことを考えているかもしれません。

カウンターの内側にいる私たちは、仕事が順調に進んでいると思っていても、患者さんは違うことを感じている場合があるんですね。

薬局の内側から見えていることと、患者さんから見えていることは、必ずしも同じではありません。

だからこそ、管理薬剤師にはカウンターの外側から薬局を見る視点も必要なのだと思います。

自分たちの「当たり前」は、患者さんの「当たり前」ではない

薬局で働いていると、私たちにとって当たり前になっていることがたくさんあります。

・処方内容の確認に時間がかかること
・疑義照会で調剤が一時的に止まること
・複数のスタッフが分担して、一つの処方箋に対応していること

薬剤師なら、その理由が分かります。でも、患者さんには見えない部分もあります。

こちらは安全のために必要な仕事をしていても、患者さんからすると、ただ待っているように感じられることもあるでしょう。

もちろん、安全性や正確性を犠牲にして、待ち時間を短くすればよいという話ではありません。

大切なのは、患者さんがどう感じているかを知ったうえで、私たちにできることを考えることです。

待合室から見ると、薬局はどう見える?

私が待合室から薬局を見て、最初に驚いたのは、思っていた以上に中の様子がよく見えることでした。そして、声もよく聞こえる。

カウンターの内側にいると、スタッフ同士の会話は日常の一部です。でも、待合室に座ってみると、その会話が気になることがあります。

・業務とは関係のないおしゃべり
・少し強い口調でのやり取り
・スタッフ同士のぎくしゃくした雰囲気

そんな様子が見えたり聞こえたりすると、患者さんはどう感じるでしょうか。

「何だか雰囲気が悪いな」「忙しそうだけど、声をかけても大丈夫かな」そう思う人もいるかもしれません。

反対に、スタッフが笑顔で声をかけ合いながら、テキパキと働いている薬局を見ると、気持ちがいいものです。

私自身、患者としていろいろな薬局を利用する中で、こうした違いを感じてきました。

特に気になるのは、次のようなことです。

① 待ち時間の目安が分かるか

患者さんとして薬局に行くと、「あと、どれくらい待つんだろう?」と思うことがあります。

時間がかかる場合はもちろんですが、短い場合でも目安を教えてもらえると、安心できます。

例えば、

薬局教育部の顔(笑った女)

ただいま混み合っているので、20分ほどかかる見込みです

と声をかけてもらえれば、そのつもりで待つことができます。

もちろん、処方内容や混雑状況によって時間は変わるので、正確な予測が難しいこともあります。

それでも、何も分からないまま待つより、ある程度の見通しがある方が気持ちは楽ですよね。予定より時間がかかりそうなら、途中で一声かけることも大切です。

待ち時間は、長さだけでなく、患者さんが見通しを持てるかどうかも重要です。

② スタッフの声や会話はどう聞こえるか

待合室からは、思っている以上にスタッフの声が聞こえることがあります。もちろん、業務上の情報共有は必要です。

ただ、話す内容や声の大きさによっては、患者さんに不快感を与えたり、個人情報が周囲に伝わったりするおそれがあります。

薬局教育部の顔(考える男)

この声、待合室まで聞こえていないかな?

そんな意識を持つだけでも、普段の会話の仕方は変わってくると思います。

③ スタッフの表情や雰囲気はどう見えるか

薬局を利用する患者さんの中には、体調が悪い方や、不安を抱えている方もいます。

そんなとき、スタッフが穏やかな表情で対応してくれると、少し安心できるものです。

私も、患者として薬局を利用すると、やはり笑顔で接してもらえるとうれしいと感じます。

とはいえ、忙しい薬局でいつも笑顔でいるのは、簡単なことではありません。

だからこそ、単に「笑顔で対応しましょう」と言うだけでなく、スタッフが気持ちよく働ける環境を整えることも大切です。

・お互いに声をかけやすい
・困ったときに助け合える
・忙しいときでも、必要な情報を共有できる

そうした職場の雰囲気は、患者さんへの対応にも表れてくるのではないでしょうか。

患者さんの目で薬局を見ることは、患者対応だけでなく、スタッフの働く環境を見直すきっかけにもなります。

やってみよう|患者さんの目で薬局を観察する

ここからは、実際にやってみましょう。今回のワークは、とてもシンプルです。

いつもとは少し違う場所から薬局を見るだけでも、思いがけない発見があるかもしれません。

ただ、気づいたことも、時間がたつと忘れてしまうものです。そこで今回は、見つけたことを記録しながら、自分の薬局を振り返ってみましょう。

やってみよう|今回の実践

患者さんが普段座っている場所に座り、自分の薬局を眺めてみましょう。

  1. 自分の薬局の良いところを見つける
  2. 患者さんの立場で気になるところを5つ書き出す
  3. その中から特に気になることを一つ選ぶ

ワーク① 良いところを見つける

まずは、自分の薬局の良いところを探してみてください。

例えば、

・スタッフが患者さんに丁寧に声をかけている
・忙しくてもスタッフ同士が協力できている
・待合室が整理整頓されている
・案内や掲示物が分かりやすい
・スタッフがテキパキと仕事をしている

といったことです。

改善点を探す前に、良いところにも目を向けてみましょう。普段は当たり前だと思っていることが、実は薬局の強みかもしれません。

ワーク② 気になるところを5つ書き出す

次に、患者さんの立場から気になることを5つ書き出してみてください。

例えば、

・待ち時間の目安が分からない
・スタッフの会話が待合室まで聞こえている
・患者さんへの声かけが少ない
・掲示物が多く、必要な情報が見つけにくい
・スタッフ同士の雰囲気が少し気になる

などです。

もちろん、これは例です。実際にあなたの薬局を見て、感じたことを書いてみてください。最初から正解を探す必要はありません。

大切なのは、普段とは違う場所から薬局を見て、自分自身で気づくことです。

なお、観察するときは、患者さんの利用を妨げないようにし、個人情報やプライバシーにも十分配慮してください。

ワーク③ 特に気になることを一つ選ぶ

5つ書き出せたら、その中から特に気になることを一つ選びましょう。

そして、次の2つを考えてみてください。

① そのとき、患者さんには何が起きているでしょうか?

例えば、待ち時間が分からず、不安を感じているかもしれません。

② カウンターの内側では、どんな業務や仕組みが関係していそうでしょうか?

例えば、待ち時間を案内する担当者が決まっていないのかもしれません。

ここでは、まだ解決策まで考えなくても大丈夫です。まずは、患者さんの立場で気になったことと、薬局の内側で起きていることを結びつけてみましょう。

今回選んだ一つは、次のSTEP3で使います。

気づいたことをスタッフと共有する

待合室から薬局を見て、気になることが見つかったとします。

例えば、スタッフ同士の私語が気になったとしましょう。そんなとき、管理薬剤師としてどう対応しますか?

「患者さんから見えているんだから、気をつけて」と注意することもできます。

もちろん、患者さんへの影響が大きい問題や、個人情報に関わる問題であれば、その場で適切に対応する必要があります。

ただ、普段の改善については、注意するだけではなかなか定着しないこともあります。

言われたスタッフが、「自分だけ注意された」「また何か言われた」と感じてしまうかもしれません。

そこで私が大切だと考えているのが、普段から振り返りと改善の機会をつくっておくことです。

月初のミーティングを振り返りの機会にする

例えば、月初の薬局内ミーティング。そこで、こんなことを話し合ってみるのはどうでしょうか。

・最近、患者さんの立場で気になったことはないかな?
・患者さんに喜んでもらえた対応はあった?
・今の薬局で、もっと良くできそうなことは?
・今月、一つ改善するとしたら何だろう?

こうした振り返りを、毎月のルーティンにしておきます。

そうすれば、問題が起きたときだけ急に注意するのではなく、普段から自然に改善について話し合うことができます。

特定の誰かを責めるためではなく、薬局をより良くするための時間にするわけです。

そして、こうした機会が定期的にあると、スタッフも普段から、

何か改善できることはないかな?

と考えるきっかけになります。

私自身、長年複数の店舗を見てきた経験から、こうした振り返りの機会を日常の中に組み込むことは大切だと感じています。

スタッフ自身にも体験してもらう

もう一つおすすめしたいのが、スタッフ自身にも待合室から薬局を見てもらうことです。

私も、すべての店舗ではありませんが、実際にスタッフに体験してもらったことがあります。

管理薬剤師から「患者さんにはこう見えているよ」と説明されるのと、自分で座って気づくのとでは、受け止め方が違うことがあります。

自分で発見したことなら、改善にも前向きに取り組みやすくなるのではないでしょうか。

まずは管理薬剤師自身が体験し、機会があればスタッフにも広げてみる。それくらいから始めてよいと思います。

患者さんの視点を忘れないために

待合室から薬局を眺めると、いろいろなことに気づきます。

「こんなに声が聞こえていたんだ」
「スタッフの表情って、思っていた以上によく見えるんだな」
「待ち時間の案内は、もう少し工夫できそうだな」

そんな発見があると思います。

でも、ここで一つ、気をつけたいことがあります。

人は、気づいたことも、日々の忙しさの中で忘れてしまうものです。

私自身、患者さんからの見え方に驚いて、気をつけようと思ったことがありました。それでも、毎日の業務に追われていると、その意識は少しずつ薄れてしまいます。

だからこそ、意識して繰り返すことが大切なのだと思います。

例えば、

・月に一度、待合室から薬局を眺めてみる
・店舗訪問の際には、カウンターの内側へ入る前に、患者さんの目線で薬局を見てみる
・薬局内ミーティングで、患者さんの立場から気づいたことを振り返ってみる

こうした小さな習慣をつくるだけでも、見えるものが変わってくるはずです。

大切なのは、最初から完璧な薬局を目指すことではありません。

気づいて、考えて、少し改善する。そして、また見直してみる。

その繰り返しが、薬局を少しずつ良くしていくのだと思います。

今回の振り返りと次のSTEP

最後に、今回の実践を振り返ってみましょう。

振り返ってみよう|3つの質問
  1. 待合室から見て、良いと思ったところは何でしたか?
  2. 特に改善したいと思ったことは何ですか?
  3. 薬局内のどんな業務や仕組みが関係していそうですか?

すぐに答えが出なくても構いません。まずは、気づいたことを記録しておきましょう。

無料の実践ワークブックも活用してください

今回の気づきを記録できる、26ページの実践ワークブックを用意しています。

✅STEP2の記入ページ:8〜9ページ

8ページ:良いところ・気になるところを記録
9ページ:気になることを一つ選んで整理

次のSTEPへ|「気になること」を改善につなげよう

今回見つけた「気になること」を一つ持って、次のSTEPへ進みましょう。

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