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患者さんの元気と健康を作り出す薬局薬剤師の会話術④

毎日薬を渡しているけど、これで本当に患者さんの健康を守れているのか、正直自信がない…

病気の管理はしているけど、健康を守る提案まではできていない…

薬剤師として、こんな疑問を感じたことはありませんか?

患者さんの病気のケアをしている中で、『私たちの医療は、本当に患者さんの健康に良い影響を与えているのだろうか?』と考えることがあるかもしれません。

今回は、患者さんの『病気を治す』だけでなく、『健康を守り育む』という視点で、どのようにアプローチすれば良いのか、一緒に考えていきたいと思います。

実際に使えるアイデアも紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

それでは、さっそく始めましょう!

健康を維持するための2つの大切な視点

一般的に、人々が健康になるためには『病気を減らすこと』が大切だと考えられがちです。

しかし、それだけで本当に健康を保てるのでしょうか?

ちなみに世界保健機関(WHO)は、健康について次のように定義しています。

健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます(日本WHO協会訳)

この健康の定義を踏まえると、私たちが健康を維持するために必要なことを改めて見直す必要があることが分かります。

そして、健康を守るには、次の2つの視点が重要です。

健康を守る2つの視点
  • 病気を減らすこと(マイナスを減らす)
  • 元気を増やすこと(プラスを増やす)

つまり、健康を考える際には『病気を減らすこと』だけでなく、『元気を増やすこと』も欠かせません。

この2つをバランスよく取り組むことが、健康を守るカギとなります。

それでは、これら2つの視点について、もう少し詳しく見ていきましょう。

【視点①】病気を減らす視点

まずは『病気を減らす』という視点から見ていきましょう。

病気が少ないほど、体への負担は軽くなり、健康に近づくのは言うまでもありません。

例えば、次のような取り組みが病気のリスクを減らす助けになります。

病気のリスク減らし
  • 定期的な健康診断を受ける
  • バランスの取れた食事を心がける
  • 適度な運動や十分な睡眠を確保する

こうした努力によって、体の不調や病気のリスクを抑えることができ、健康の『土台』を作ることができます。

この土台がしっかりしているほど、より安心した生活を送れるようになります。

しかし、年齢を重ねると誰しも何かしらの病気を抱える可能性が出てきます。

つまり、『病気を減らす』だけでは健康を考えるうえで十分とは言えません。

健康を守るには、『病気を減らす』だけでなく、次の視点も重要になってきます。

【視点②】元気を増やす視点

健康を守る上でのもう一つの視点が『元気を増やす』という視点です。

次はこの視点について詳しく見ていきましょう。

健康になるためには、元気という『プラスの要素』を増やすことも大切です。

例えば、趣味を楽しんだり、体を適度に動かしてリフレッシュすることは、元気を育むための効果的な方法です。

たとえ病気があっても、元気があれば、健康を感じる瞬間が増えます。

たとえば、病気が1つあったとしても、元気を感じる要素が4つあれば、全体として『プラス3』の健康状態になります。

このように、元気を増やすことは、健康の質を向上させる重要なポイントなのです。

健康をさらに良くしたいのであれば、病気を減らすことだけでなく、元気を増やすことを意識することが大切です。

元気が増えると、心も体も軽くなり、毎日を前向きに楽しく過ごせるようになります。

そのため、健康を維持するには次の2つを意識することが大切です。

結論
  • 病気を減らす努力を続けること
  • 元気を増やす生活を意識すること

これら2つの要素をうまくバランスを取りながら実践することで、健康をしっかりと守ることができます。

健康とは、単に病気がない状態を指すだけではなく、心と体が元気で充実感を感じられる状態を目指すことが、真の健康につながると言えるでしょう。

これからの薬局に求められる新しい役割

健康を考えるとき、重要なのは『病気』を防ぎ、『元気』を保つバランスです。

これを踏まえ、これからの薬局が果たすべき役割について考えてみましょう。

これから求められる薬局のカタチ

これまでの薬局運営では、『ミスをしない』『迅速にお薬を渡す』『問題を起こさない』ことが重視されてきました。

これらは今後も変わらず大切ですが、それだけでなく、『患者さんがまた行きたいと思える薬局』であることが、これからはさらに重要になっていくと感じています。

例えば、

  • 患者さんが自分の話をしっかりと聞いてくれる薬剤師がいる薬局
  • 質問しやすく、疑問にしっかり答えてくれる薬剤師がいる薬局
  • 温かい雰囲気や細やかな気配りで、患者さんがリラックスできる空間を提供する薬局

こんな薬局なら、患者さんは自然と『また行きたい』と思うのではないでしょうか。

地域に寄り添う薬局の未来

薬局は地域の人々にとって、最も身近で信頼できる医療機関です。

薬剤師は薬を渡すだけでなく、患者さんの生活全般や体調に寄り添い、日常的なサポートを行う重要な役割を担っています。

これからの薬局には、次のような新しい役割が求められると思います。

薬局の新しい役割
  • 病気の予防をサポートする
  • 患者さんの『元気』を引き出す手助けをする
  • 患者さんに信頼され、寄り添う存在になる

薬局がこれらの役割を果たすことで、地域の健康を支える『頼れる存在』として、ますます重要な役割を担うことが期待されています。

では、このような役割を実現するために必要な薬剤師のスキルや視点についてご紹介します。

実践的な健康づくりのための3つの視点

患者さんが自分の健康を意識し、改善に繋げるためには、薬剤師として持つべき視点がいくつかあります。

現場で実際に役立つ3つの重要な視点をご紹介します。

これから紹介する視点は、日々の業務にすぐに活かせる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

また、それぞれの視点に合わせた具体的なセリフの例もご紹介しますので、ぜひ現場で活用してみてください。

【視点①】未来の健康を少し考えてみる

今の生活を続けていると、X年後、あなたの健康状態はどうなっていると思いますか?

健康を考える際に大切なのは、将来の健康状態を少し予測してもらいましょう。

そして今の生活習慣が、これからどんな影響を与えるのかを想像してもらいましょう。

例えば、仕事が忙しくて運動不足になったり、食生活が偏ったり、ストレスが溜まりやすくなっていることが続いている場合など…。

そのような生活が続くと、数年後や10年後に自分の体調がどう変わるかをイメージしてみることが重要です。

健康を守るためには、将来を見越して今できることを見つけ、少しずつ生活習慣を改善していくことが大切です。

健康診断で『異常なし』と言われたとしても、将来のために今から少しずつ生活を見直すことが、より良い健康づくりに繋がっていきます。

【視点②】自分の目標を立てる

あなたはどのような健康状態でいたいですか?

次に大切なのは目標設定です。

将来予測で見えてきた自分の健康状態が、自分の望む姿かどうかを考えてもらいましょう。

その上で、どんな目標を立てるべきかを決めます。

たとえば、『健康診断で何も問題がない状態でいたい』『体力を維持して、いつでも運動ができるような体を作りたい』など、具体的な目標を考えるといいでしょう。

目標を明確にすることで、日々の生活が少しずつ変わってきます。

健康管理に対する意識が高まり、生活習慣も自然に良い方向へと進んでいくはずです。

【視点③】周りの人との関わりを意識する

あなたにとって一番大切な人は、今のあなたの状態をどう思っていらっしゃいますか?

最後に、周囲の評価について考えてもらいましょう。

自分の健康は、周りの人にも大きな影響を与えます。

例えば、家族など、あなたを大切に思っている人があなたの健康についてどう感じているか、少し立ち止まって考えてみてもらいます。

『最近元気そうで安心した』『少し無理をしすぎていないか心配だ』など、周囲からの反応は自分を見直すきっかけになります。

健康を意識することで、周りとの関係もより良くなります。

周囲の期待に応えることは、自分のモチベーションにもつながりますし、そのためにも自分の健康を守る意識を高めることが大切です。

このように、将来予測目標設定周囲の評価という3つの視点から自分の健康を見直し、実行に移していくことが、健康づくりの第一歩となります。

患者さん自身だけでなく、周りの人にも良い影響を与えるために、今できることから少しずつ始めることが大切です。

まとめ

これまで4回にわたって、患者さんの健康を支える薬局薬剤師の会話術についてお話ししてきました。

薬剤師として大切なのは、単に薬を渡すだけではなく、患者さんとの会話を通じてその人の健康に寄り添うことです。

患者さん一人ひとりに関心を持ち、今だけでなく未来の健康も考えてサポートしていくことが、薬局薬剤師に求められる役割だと思います。

薬局は患者さんにとって、身近で信頼できる医療機関です。

だからこそ、患者さんとの信頼関係を築くために、会話のスキルを磨くことが重要です。

ここで紹介した会話術を実践すれば、患者さんとのコミュニケーションがよりスムーズになり、より良いサポートができるようになります。

このシリーズで紹介した具体例をぜひ試してみてください。

あなたの一言が、患者さんの健康を支える大きな力になるはずです。

薬局薬剤師として、日々の会話を通じて、患者さんの元気を支えていきましょう。