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薬局薬剤師のための目標設定研修③|行動を促す仕組み作り

目標は立てたけど、なかなか行動できない…

始めてみたものの、すぐにやめてしまう…

こんな風に感じたこと、ありませんか?

実はこれ、珍しいことではありません。

多くの人が目標を立てても続かないのは、実は、目標の立て方に工夫が足りないからなんです。

例えば、『もっと勉強しよう!』『運動を習慣にしよう!』と漠然とした目標を立てても、いざ行動に移そうとすると腰が重い…。

これ、自然な反応です。

なぜなら具体的な行動プランがないと人は動きづらいからです。

継続できる人は、『意志が強い』からではありません。

行動を続けるための仕組みを日常に組み込んでいるから継続行動ができるんです。

たとえば、

『毎朝出勤前に10分だけ勉強する』と決めて、時間と場所を固定することで習慣化する。

あるいは、

『週2回はジムの帰りにスーパーに寄る』と決めて、行動とセットにして継続しやすくする。

このように行動のハードルを下げる工夫がポイントです。

ここまでの目標設定研修では、まず自分を知ることから始めました。

自分の強みを診断し、それをもとに目標を立てるところまでしてきました。

強みを活かした目標は無理なく取り組めるので、自然と続きやすくなります。

そして今回が目標設定研修の最終回。

テーマは『行動を続ける仕掛け作り』です。

せっかく立てた目標も、行動が伴わなければ絵に描いた餅。

そこで今回は、『目標を行動に移すためのコツ』や『行動を続けるための工夫』の2つを中心にお伝えしていきます。

『確かにそうだな』と納得しながら、すぐに日常で試したくなるような内容をお届けします。

目標を行動に移すためのコツ

自分の強みを活かした目標は立てたけど、いざ行動に移すとなると難しい…

そんなふうに感じること、ありませんか?

目標は立てるだけでは意味がなく、実際に行動してこそ成果につながるものです。

ここでは、目標をしっかり行動に落とし込むためのコツをお伝えします。

目標を行動に落とし込むには?

いきなり『頑張ろう!』と意気込むだけでは、なかなか前に進めません。

そこで役立つのがSMART目標というフレームワークです。

SMART目標って何?

と思った方もいるかもしれませんね。

これは目標を具体的で達成しやすい形に整理する方法で、次の5つの要素の頭文字を取っています。

たとえば、

服薬指導をもっと丁寧にする!

という目標だと、ざっくりしすぎて行動に移しづらいですよね。

でも、SMART目標に当てはめるとこうなります。

S(具体的)
患者さんの不安を引き出せるように質問を増やす
M(測定可能)
1日3人の患者さんに質問を1つ追加する
A(達成可能)
通常の業務負担と両立できる範囲で行う
R(関連性)
患者さんの満足度向上につながる
T(期限)
1カ月間実施して振り返る

このように『誰が見ても分かる具体的な行動』に落とし込むことで、実行に移しやすくなるのです。

実際にSMART目標を設定してみよう

せっかく目標を立てるなら、『立てっぱなし』ではなくちゃんと行動に移せる形に落とし込みたいですよね。

では、実際にSMART目標を使って、具体的な設定方法をNG例とOK例を参考にしながら、一緒に見ていきましょう。

Specific(具体的)

NG例
『患者さんとのコミュニケーションを大事にする』
→抽象的すぎて何をすればいいのか分からない。

OK例
『服薬指導時に毎日1人の患者さんに対して、2つ以上質問を投げかける』
→行動が具体的なので実践しやすい。

Measurable(測定可能)

NG例
『患者さんに丁寧に接する』
→丁寧さは主観的で進捗が測れません。

OK例
『1日1人の患者さんに、指導時に質問を1つ増やす』
→1日1人と数値で測定できるので振り返りがしやすくなる。

Achievable(達成可能)

NG例
『すべての患者さんと10分以上じっくり話す』
→現場の忙しさを考えると現実的ではありません。

OK例
『1日1人に限定して、通常より2分長くコミュニケーションを取る』
→無理なく業務内で取り組める範囲に設定するのがコツ。

Relevant(関連性がある)

NG例
『患者さんと雑談を増やす』
→雑談だけだと薬剤師としての業務との関連性が薄い。

OK例
『患者さんの生活背景に踏み込む質問を意識的に増やし、副作用リスクの確認精度を高める』
→薬剤師としての役割に直結しているので意義が明確。

Time-bound(期限がある)

NG例
『いつか患者さん対応をもっと良くする』
→期限がないとズルズルと先延ばしになりがち。

OK例
『1カ月間、1日1人に対して質問を1つ増やすことを継続する』
→期限があると計画的に振り返りができるので達成度も上がる。

いかがでしょうか?

もっと丁寧に対応したい

といった漠然とした目標も、SMART目標で整理すれば行動レベルに落とし込めて実践しやすくなります。

まずは無理なく取り組める範囲で、1つの目標をSMARTで設定してみてください。

たとえば、

1週間で3人の患者さんに生活習慣を尋ねる質問を増やす

など、具体的で測れる形にするだけで継続しやすくなるはずです。

目標は立てるだけではなく、行動に移してこそ意味があります。

ぜひ、日々の業務で試してみてください。

目標設定の際の3つのポイント

目標って立てたはいいものの、気づいたら忘れてたり、途中でなんとなく曖昧になったりすることってありませんか?

せっかく掲げた目標を形にするには、ちょっとしたコツが必要です。

ここでは、薬局薬剤師として日々の業務で実践しやすい『目標設定の3つのポイント』を紹介します。

SMART目標で行動に落とし込む

これまで話してきたように、SMART目標を使うと、目標がより具体的になり、実際に行動に移しやすくなります。

大事なポイントは『達成感を感じられる設定にすること』です。

たとえば、『患者さん対応を改善する』という漠然とした目標を、『1日1人と丁寧に話す』という具体的な行動に落とし込むと、実行しやすくなります。

SMART目標を意識して設定することで、目標が達成しやすくなり、その分、達成感も得やすくなります。

ぜひ、この方法を試して、次のステップに進んでいきましょう。

3つの目標のバランスを取る

今の職場での目標、将来に向けたキャリアの目標、そしてプライベートの目標。

この3つのバランスを取って設定することで、どれかに偏ることなく、充実した毎日を送ることができます。

例えば、仕事ばかりに集中してしまうと、プライベートが疎かになったり、逆にプライベート重視で仕事に手が回らなくなったり…。

だからこそ、どの領域にもバランスよく目標を設定することが大事です。

特に、自分の強みを活かしながらそれぞれの目標に取り組むことで、仕事でもプライベートでも納得できる充実感を感じやすくなります。

これを意識すると、目標がより現実的になり、無理なく進めるようになります。

目標を小さなステップに分ける

目標を設定したら、次はそれを実際の日々の行動に落とし込んでいきます。

最初は少しずつ、小さなステップから始めるのがポイントです。

強みに基づいた目標なら、特に無理なく取り組めるはずです。

例えば、大きな目標をそのまま取り組むのは少しハードルが高いかもしれません。

でも、それを小さなステップに分けることで、途中で挫折することなく、少しずつ進んでいけます。

そして、進捗をしっかり振り返ることも大切です。

どんな小さなステップでも、達成できたら自分を褒めて、次に進む力に変えましょう。

もし進捗が思ったようにいかなかったら、ちょっとした調整を加えてみてください。

例えば、

『今週1人としか話せなかったけど、来週は2人に挑戦してみよう』って感じで目標を少しだけ伸ばすだけでも、着実に進んでいる実感が持てます。

もっと効果的に会話を深めたいなら、『質問の仕方を工夫してみよう』と、具体的にどう改善するか考えてみることが大事です。

このように小さなステップを積み重ねることで、着実に目標達成に近づけますし、その過程で自分の成長を実感できるはずです。

行動を続けるための工夫

これまで、目標を設定して行動に移すことの重要性についてお話ししました。

ここからは、実際に行動を続けるための工夫を3つ紹介します。

意欲を高める仕掛けを作る

まず、行動を続けるためには、意欲を維持する工夫が大事です。

たとえば、

車を買いたい!

という目標があっても、貯金が進まない…なんてことありますよね。

そんな時は、毎月車の展示会に行って、実際に目の前で車を見て『これ欲しい!』と再確認するだけで、貯金へのモチベーションがグンと上がります。

自分の欲しいものを目にすることで、

早く手に入れたい!

という気持ちが湧いてきますよね。

こんな風に、自分を動かすための仕掛けを作って、意欲を高めるのも一つの方法です。

やらざるを得ない仕組みを作る

次は、習慣化の話です。

行動を続けるためには、やらざるを得ない仕組みを作ることがポイントです。

例えば、ダイエットをすると決めたなら、

まずは、

毎日体重計に乗る!

といった簡単な習慣から始めるのが効果的です。

そして周りの支援を得られるともっと効果的になります。

例えば、家族や友人に『今日体重乗った?』と聞いてもらうだけで、ちょっとしたプレッシャーになって

やらなきゃ!

という気持ちが生まれます。

また、毎週土曜日に30分間運動する、日曜日の午前中はスタバで作業するといった環境を変えることも、行動を習慣化する助けになります。

こういった『やらざるを得ない状況』を作ることで、自然と行動が続くようになります。

数字と時間で目標を具体化する

最後に、目標はできるだけ数字や時間で具体的に表現することが重要です。

これ、前にSMART目標でもお話ししましたが、本当に大事なポイントです。

たとえば、

ダイエットを頑張る!

と言うだけでは、いつまで経っても成果が見えにくいですよね。

だからこそ、

ご飯は1膳に済ませる!
毎日30分間歩く!

など、具体的な数字や時間で設定すると、自分がどれだけ達成できているかが明確になります。

さらに、これも周りの人にチェックしてもらうと、守れているかどうかが一目瞭然になります。

これで、達成度がどんどん見えてきて、やる気もアップします。

これらの3つの方法を使うことで、目標達成のための行動を続けやすくなりますが、最も大事なのは、『自分の意志の力だけに頼らないこと』です。

意志力だけでは、どうしても続けるのが辛くなってしまいます。

だからこそ、周りの人や環境をうまく活用して、自分が続けやすい仕組みを作っていくことが、目標達成には重要です。

上手に工夫して、行動を続ける力をつけていきましょう。

まとめ

『薬局薬剤師のための目標設定研修』シリーズも、今回で最終回を迎えました。

この3回の研修では、目標を設定することの重要性と、それを実行するための具体的な方法についてお伝えしてきました。

目標を立てること自体は大切ですが、実際にそれを続けて実行することが最も重要です。

そのためには、まず具体的な行動プランを作成し、SMART目標を使って目標を明確にすることが効果的です。

また、目標を小さなステップに分けて、進捗をこまめに振り返ることで、達成感を感じながらモチベーションを保つことができます。

さらに、目標を実行するための仕組みを作ることで、実行力がぐんと高まることもお伝えしました。

この研修で学んだ内容を、ぜひ日々の業務に活かしてみてください。

最初は小さな一歩から始めても大丈夫です。

まず行動してみることで、目標達成に向けた道が開けるはずです。

このシリーズを通して、目標達成に向けた第一歩を踏み出す準備ができたと思います。

あなたが立てた目標が、必ず実現することを願っています。