動画編集スキルと薬局薬剤師のキャリアとどのように関係してくるのかと疑問に思う人がいるかもしれませんが、
特に教育・採用担当者にとって動画編集・作成スキルは非常にニーズが高く、このスキルを習得するかで他の教育担当者と比較して頭一つ抜けた存在になることができます。
具体的には、採用動画、研修動画、動画マニュアルなど、画像と文章だけでななかなか伝わりきれない情報をできるだけリアルに伝えたい時に動画は非常に有効です。
薬局薬剤師を取り巻く環境の中で、動画編集スキルを活かした事例の紹介から、これから動画編集スキルを身につける方のための準備や動画編集の仕方について簡単に紹介していきます。
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薬局薬剤師の動画編集スキルを活かした事例
薬局薬剤師を取り巻く環境の中で、動画編集スキルを使う事例はたくさんあります。
そんな中で、代表的な3つの事例、採用関連、研修関連、マニュアル関連について紹介してきます。
採用関連
採用関連で動画編集スキルがどれだけニーズがあるかについては、私が人事部に所属していた時のエピソードを紹介します。
当時、人事部の採用担当者は少ない人数での会社説明開催に限界を感じており、会社説明会をコンパクトに動画にまとめて、ホームページやYouTubeにアップして紹介したいと考えていました。
でもそこで大きな問題にぶち当たります。
それは動画作成会社に採用動画を依頼すると安くても50万円、作り直しなどのオプションなどを含めると100万円は簡単にかかってしまうとのことでした。
そして採用担当者と雑談をしている際に、採用担当者が「こんな感じの採用動画を作りたいんだけど高くて予算が出なくて〜」って困っていました。
動画編集スキルには自信があったので、
「私でしたら3日あればこれと同じような動画を作成できますよ」とつぶやいたら、「ぜひ作ってほしい、これで50〜100万円のコスト削減ができる」と凄く喜んでもらった経験があります。
そこで人事部長と交渉し、3日間の休みをもらい採用動画を3本完成させました。
その時に使用したソフトはこちら。
動画作成に使用した費用は、この動画編集ソフトを購入して会社PCにインストールしただけなので、総費用は1万数千円のみでした。
50〜100万円のコストを削減できただけなく、私の人事部内でも評価が上がった事例でした。
その後も、採用動画として様々なバージョン(会社説明会、先輩社員の本音座談会、薬剤師・登録販売者・医療事務の採用など)を作成・編集してきました。
もしあなたが採用担当者なら動画編集スキルを身につけておくと、自分のキャリアに付加価値をつけることができます。
研修関連
教育担当者にとっても動画編集スキルは非常に有用です。
研修の項目には大きく分類すると、知識、技能(スキル)、態度(姿勢)に分けられ、動画編集スキルは特に知識研修の実施に非常に重宝します。
技能(スキル)、態度(姿勢)の研修は、知識というよりも身につける動作なので、こういった研修は集合研修や現場研修の組み合わせでの実施が向いています。
一方、知識研修に関しては、知識としてインプットするための目的なので、こういった研修は、研修動画として作成し、受講者の都合の良い時間帯に、いつでも、どこでも、何回でも閲覧できる体制をとることが理想です。
こうすることで、研修受講者を一箇所に集めるのにかかるコスト(移動時間、交通費、勤務時間の捻出)をかけずに、関係各位にもれなく研修を受講してもらうことができる環境が整います。
知識研修向けの研修内容はこのようなものがあります。
- 調剤報酬関連
- 医療医保険・介護保険制度関連
- 薬局業務関連の法規
一部を紹介しましたが、こういった知識研修は動画としてまとめておき、あとで説明しますが、社内の教育系のポータルサイトなどに格納して、研修受講者がいつでも・どこでも・何回でも閲覧できるようにしておくと良いでしょう。
マニュアル関連
これは新入社員が皆さんの薬局に入ってきたことを想像してみてください。
新入社員があなたの薬局に入ってくると、様々な業務を現場で教えていかなければなりません。
それには教える側にも教えてもらう側にも多くの時間を要します。
こういった時に動画マニュアルがあると凄く助かります。
動画マニュアルには具体的には以下のようなメリットがあります。
- 教える側の時間を削減することができる
- 教えるスタッフによる教育レベルのばらつきを無くせる
- 薬局内・薬局間の業務の仕方のバラツキを統一できる
新入社員の教育だけでなく、社内・薬局内の仕方が店舗によって異なるなどのバラツキも修正できるので、社内で統一していきたい業務に関しても動画マニュアルは有効です。
後で詳しく紹介しますが、動画マニュアルは長い動画は厳禁。
長くても1つの業務に関して3分位にまとめて、気軽に何度でも閲覧できる仕組みを作っておくことが重要です。
こちらの動画マニュアルも、先ほど紹介した社内の教育系のポータルサイトに格納しておくと非常にに便利です。
動画編集を行う際の準備物
採用、教育・研修、マニュアルなど様々な場面での動画の活用について紹介してきましたが、いざ、動画編集を行なっていく際の準備項目について解説していきます。
下記の3つの道具が揃うと、すぐにでも動画作成・編集が可能です。
動画編集ソフト
撮影した動画をそのまま使用すると、動画を閲覧する立場で見たときにとても見れた物ではありません。
周りの雑音、不必要な長い間、単調な流れなど、動画は見てもらうためには必ず編集という一手間をかけないといけません。
動画の撮影自体はスマホで十分。
そして撮影した後には、パソコンで動画を編集していくのですが、それには動画編集ソフトが必要です。
Windows、Macに分けて、どのような動画編集ソフトを使っていくかを紹介していきます。
Windowsの場合
ここでの詳しい解説は留めておきますが、私が動画編集を今まで行なってきた中で、間違いなくこの動画編集ソフトが一番おすすめ!を紹介します。
一番おすすめの動画編集ソフトはこれ!
とにかく直感的で操作でき、使いやすいです。
8年連続で国内シェアNo.1の動画編集ソフトであることが納得です。
Macの場合
もしあなたがMacを持っている、あるいはこれから購入する予定があるのなら、動画編集ソフトの購入は必要ありません。
MacにはWindowsと違って最初からワード、エクセル、パワーポイントや動画編集ソフトも標準装備されています。
私も会社ではWindowsのPCを貸与されていますが、プライベートではMacを利用しています。
ちなみにMacの動画編集ソフトは『iMovie』です。
このiMovieは市販の動画編集ソフトと同レベルなので購入の必要はありません。
中でもiMovieにあらかじめ用意されている17個のテンプレート(2024年2月現在)に写真、撮影動画、文章を入れるだけでスタイリッシュな動画が1時間もあれば完成します。
↓↓↓
私はMacのiMovieのこのテンプレートを使用して、社内外での医療事務(調剤アシスタント)の募集動画を2時間くらいで仕上げることができました。
このMacのiMovieは動画作成におすすめです。
パワーポイント(画像作成)
動画を編集する際には、実写映像だけでなく、時には解説用のスライドや画像などを入れることで見ている側が分かりやすい動画になります。
そんな動画に挿入する画像や絵文字などはパワーポイントなどで作成するのが基本です。
MacならKeynoteというパワーポイントのようなソフトが標準装備されているのでそれを使っても良いでしょう。
BGM・効果音・音声ソフト(音声作成)
一度動画編集を行えばすぐに分かることですが、動画にBGM・効果音などが無いと随分単調な動画になってしまいます。
BGM
BGMに関しては、動画編集ソフトに前もって内蔵されているBGMを利用するのが一番簡単です。
他には、Youtubeのオーディオライブラリにも相当数のBGMが収録されており、G-mailのアカウントさえ持っていれば無料で利用できるので、こちらもおすすめです。
YouTubeのオーディオライブラリには簡単な利用規約があるので、利用する際には確認しておくと良いでしょう。
BGMには他にも著作権フリーのものが本当にたくさんありますが、動画編集ソフト付属のものか、YouTubeオーディオライブラリだけで十分だと思います。
効果音
効果音はこのサイト(効果音ラボ)から取得しましょう。
2,000以上の効果音をとにかく簡単に・気軽に利用できます。
私も利用していますが、ホームページから気に入った効果音をクリックしてダウンロードするだけですぐに利用できます。
商用利用可能、利用登録無しで利用できるので、効果音はここから気に入ったものをダウンロードしてストックしておくと良いでしょう。
音声
また自分の声を収録するのに抵抗があるけど綺麗な声でナレーションを読み上げてほしい場合は、こちらのAITalk5がおすすめです。
テキストを入力するだけで、自然で高品質なナレーションを作成することができます。
話者は好みに応じて上記の男女の5種類の中から選ぶことができます。
音声収録の手間も省け、ナレーションの更新もテキストを打ち込んで音声に変換するだけなので、音声の再収録の手間も省けて効率的です。
公式サイトでデモ版でお試しができるので、一度試してみてください。
あなたの想像以上のクオリティだと思います。
あると便利な備品
上記の準備物で動画編集は行なっていけるのですが、よりクオリティの高い動画を作成するためにあると便利な備品を3つ紹介します。
スマホスタンド
動画を撮影する際に、手ブレしないためにスマホスタンドがあると便利です。
100円均一のスマホスタンドでも十分です。
照明
採用動画や研修動画を撮影する際に、自然の照明だけだとどうしても話者の顔が暗く映ってしまう場合があります。
それを防ぐためにも必要に応じて照明機器を準備した方が良い場合があります。
スマホスタンドどセットになっているような照明機器はコスパも良くおすすめです。
集音マイク
動画撮影をしていると話者の音声以外にも、周りの音声が入ってくるのが気になる場合があります。
そんな時には、上の図のようなワイヤレスのセパレートタイプの集音マイクを購入すると良いでしょう。
周りの雑音も入りにくく、話者の声をきちんと収録することができます。
動画編集を行う際の3つの注意点
動画を編集して作成したとしても、実際に相手に見てもらえないと元も子もありません。
ではどんな動画が見て見てもらえるのか?
相手に見てもらうための動画編集をする前に必ず押さえておくべき3つの注意点について解説していきます。
動画の時間の長さに気をつける
目的に応じて動画の長さを工夫しましょう。
動画を閲覧するという行為は、見る側にとってなかなか忍耐のいる行為です。
動画閲覧時間は、長すぎると途中で集中力が切れて離脱してしまったり、短すぎると情報量が少なくなり大事なことを伝えきれないなど時間調整がなかなか難しいです。
そこで動画の用途に応じて、私の今までの失敗経験から下記の時間が妥当だと思います。
動画の用途 | 適正時間 |
---|---|
教育・研修関連 | 15〜30分 |
会社説明・採用動画 | 5〜10分 |
動画マニュアル | 1〜3分 |
教育・研修は、伝えることが多くなるのですが、長くても30分が限界です。
これ以上時間を伸ばすと、研修受講者は途中でスマホを見たり、他の作業をしながら閲覧したりなど、結果的には見てもらえないことになってしまします。
そして会社説明会・採用動画では、学生は忙しい中、多くの会社のホームページや動画サイトを確認します。
ここで10分以上の動画だと、閲覧すらしてもらえません。
もし10分以上のボリュームになる場合は、動画のテーマを細分化して、動画の本数を分けて展開するようにしましょう。
そして最後は動画マニュアルです。
文字通りマニュアルなので、薬局の現場で見るものなので本来は1分以内が理想です。
いくら長くても3分以内に留めないと、現場の業務の合間に誰も見てくれません。
こういった感じで、動画編集する際には、その用途に合わせて動画の時間の長さには気をつけないと、作成したけど誰も見てくれない事態になってしまうので気をつけておきましょう。
単調にならない工夫をする
特に若い世代は、YouTube、インスタグラム、TikTokなど短くてインパクトのある動画に見慣れています。
3分以上の動画になる場合は、特に単調にならないための工夫が必要です。
動画の冒頭に目次を入れたり、目次の項目ごとに動画を細く区切って紹介したり、この後に紹介する様々な効果を動画に入れると良いでしょう。
BGM・効果音・テロップを入れる
テレビやYouTubeを見ているとお分かりのように、ついつい見入ってしまう動画には、BGM、効果音、テロップなどが効果的に使われています。
ただ単に映像を流している動画だと、やはり単調で視聴者は飽きてしまうので、BGM、効果音、テロップを入れていくようにしましょう。
ここで紹介した3つのポイントを意識して動画を作成すると、受講者に見てもらえる動画に仕上がっていきます。
社内で教育系ポータルサイトの作成
動画編集スキルを身につけたなら、その動画をWEB上のサイトにまとめて管理すると、社内や薬局内でより便利に運用できます。
さらにWEBサイトを閲覧する際に会員専用のIDとパスワードをつけて管理すると、いつでも・どこでも・何回でも閲覧できるオンラインマニュアル・動画研修を受ける環境をWEB上に作ることができます。
社内でのオンラインマニュアルは、
動画の保管先は、Youtube(初心者用)やVimeo(中・上級者用)などを活用しながら、動画の限定公開などの設定を行うと良いでしょう。
動画編集スキルとWEBサイト作成のスキルを組み合わせると、会社でも個人でも薬局薬剤師としてかなり活躍の場面が広がります。
社内では教育系のポータルサイト作成(動画研修、動画マニュアルを閲覧できる会員専用サイト)できたり、個人では自分のキャリアを育成していくためのサイト(今あなたが閲覧しているこのサイト)を作成することができます。
このサイト内では、動画編集スキル、WEBサイト作成スキルについて詳しく紹介していきますので、あなたのキャリアアップの参考にしてください。
まとめ
今回は、薬局薬剤師のキャリア形成のきっかけになっていく動画編集スキルについて紹介してきました。
動画編集スキルを身につけるとあなたのキャリアに様々な可能性が出てきます。
社内では採用関連(会社説明会、採用関連動画)、教育関連(研修動画、動画マニュアル)で活用できたり、個人では自分の知識やスキルを発信できたりなどします。
動画は相手に何かを伝えるための有効な手段なので、あなたが薬局薬剤師としてキャリアを育んでいく際には必要になってくる場面が出てきます。
特に動画編集スキルとWEBサイト作成スキルを組み合わせると、あなたの発信力はさらに強力なものになっていきます。
どちらのスキルもこのサイト内で詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事は以下のような方におすすめです。