こんにちは!
『薬局教育部』の管理人の北側智之です。
薬剤師としてキャリアをどう進めていけば良いのか、悩んだり迷ったりすることは、誰しも経験があると思います。
私も、そんな悩みをずっと抱えてきました。
1996年に大阪薬科大学(現:大阪医科薬科大学)を卒業後、薬局で現場経験を積み、管理薬剤師、薬局長、ブロック長として働いてきました。
そんな中で、現場で直面する悩みや課題にどう向き合ってきたのか、少しずつ見えてきたことがあります。
その後、人事部で薬剤師や登録販売者の育成にも関わり、キャリアの築き方について深く考えるようになりました。
こうした経験を通して感じたことを、皆さんにもお伝えできればと思っています。
それでは、ここから私のプロフィールをご紹介しますので、どうぞご覧ください。
目次
20代の経歴
ここでは、私が20代で経験した出来事を通じて学んだことや、薬剤師としての視野を広げるきっかけとなった話をシェアします。
入社1ヶ月でワーホリを決意
入社してまだ1ヶ月しか経っていない頃のこと。
同期4名で入社式のテーブルを囲んでいたとき、ある同期が話してくれたんです。
この話を聞いた瞬間、私の中でスイッチが入りました。
よし、自分も来年ワーホリに行こう!
今日から英語を勉強してお金を貯めて、1年後に会社を辞めよう!
同期にその場で話しましたが、冗談だと思われたみたいです。
でも、私は本気でした。
1年間の準備期間と休職制度の活用
そこからの1年は、英会話学校に通い、人付き合いを制限して貯金に集中する日々でした。
そして、予定通り2年目の5月に退職願を提出。
1年前から準備していたワーキングホリデーに行くために会社を退職します。
ドキドキしながらそう上司に伝えました。
しかし、当時の運営部長が新たに休職制度を整備してくださったおかげで、私は社内で初めてその制度を利用し、ワーキングホリデーに挑戦することができました。
ワーホリで得た経験と書籍出版
ワーキングホリデー中は、英語を使った日常生活や異文化交流を楽しみましたが、後半の3ヶ月はバックパッカーとしてオーストラリア大陸を一周しました。
その経験を記録した日記を後にまとめ、書籍(グレートディスカバリー)として出版する機会にも恵まれました。
母のガンと薬剤師としての葛藤
20代後半、自由に生きていた私の人生に、突然の転機が訪れました。
母がガンを患ったのです。
そのときほど、薬剤師でありながら自分の無力さを痛感したことはありません。
自分は薬剤師なのに、母に何もしてあげられない…
その悔しさが私を突き動かし、本気で栄養学を学ぶ決意をしました。
母の命がかかっているので、私は国家試験のとき以上に真剣に勉強しました。
特に先進的だったアメリカ発の栄養学に注目し、翻訳本を読み漁り、実践に役立つ知識を身につけていきました。
薬剤師として、ガンとどう向き合えるのか?
その問いに向き合い続けた、忘れられない20代後半でした。
30代の経歴
30代は、ブロック長の業務や健康フェアの立ち上げ、アメリカでの研修主幹、心理カウンセリング研修の開始と、多くの新しい挑戦に恵まれた時期でした。
この時期に得た経験が、私の薬剤師としての成長に大きく影響したと感じています。
30代でのキャリアステップ
30代に入ると、これまでのドラッグストアや調剤薬局での経験を活かし、管理薬剤師や薬局長として働くようになりました。
その後、地区全体をまとめる『ブロック長』という役職を任され、業務の範囲と責任が大きく広がりました。
この役割では、新しい挑戦や経験の機会が次々と訪れ、非常に充実した毎日を過ごしていました。
薬局薬剤師はどうすればもっと地域に貢献できるか?
という課題に向き合いながら、さまざまな取り組みに全力で取り組んでいたのを今でも鮮明に覚えています。
アメリカ研修で得た気づき
この時期、アメリカでの研修に参加する機会にも恵まれました。
これまでに合計7回アメリカを訪れましたが、特に印象的だったのがシアトルのワシントン州立大学での体験入学です。
アメリカでは、薬剤師が「最も信頼される職業」の上位に常にランクインしています。
その理由を現地で学びながら、私は心の底からこう思いました。
日本の薬剤師も地域でこんなふうに信頼される存在になれるはずだ!
この体験がきっかけで、
ここで学んだことを日本に持ち帰って、何かを始めたい!
という強い思いが生まれました。そして、この気づきを活かして立ち上げたのが、次に紹介する健康フェアです。
もしアメリカでの研修や学びがなかったら、健康フェアを始める勇気も湧かなかったかもしれません。
アメリカ研修での経験は、私のキャリアにとって非常に大きな転機となりました。
アメリカ研修に関する詳細はこちらをご覧ください↓
健康フェアの立ち上げとその反響
ブロック長として働いていたとき、『薬剤師の職能拡大』をテーマに健康フェアを立ち上げるリーダーを任されました。
これは当時の部長の支援があったおかげです。
しかし、最初は非常に苦労しました。
保健所からの許可がなかなか下りず、社内でも『調剤業務に集中しろ』と反対されることもありました。
それでも当時の部長の支えを受けながら、何とか準備を進め、ついに高槻の店舗で初めて健康フェアを実施することができました。
結果は大成功!
多くの新聞に取り上げられ、この取り組みは日本全国に広まりました。
今では、当初反対していた地方自治体でも積極的に健康フェアが開催されるようになっています。
この経験は、私にとって非常に貴重でした。
どんなに反対があっても信念を持って進み続けることで道は開ける!
ということを実感した瞬間でした。
健康フェアに関する詳細はこちらをご覧ください↓
薬局薬剤師向けの栄養指導を体系化
アメリカでの研修を通じて得た気づきを元に、健康フェアを立ち上げて進めていく中で、次第に薬剤師たちからこんな声が上がるようになりました。
どのようにカウンセリングをすればよいか分からない…
カウンセリングが毎回同じパターンになってしまう…
栄養指導や健康相談では、患者一人ひとりに合った対応が必要です。
しかし、実践するには体系的な知識やスキルが求められることに気づきました。
そこで、私はこれまで学んできた薬局薬剤師向けの栄養指導をまとめ、資料にすることにしました。
その結果、私が作った資料や社内勉強会は大好評を得ました!
社内では全ブロック長を対象に研修会を開催し、さらに社外のラジオ番組にも出演する機会をいただきました。
これらの取り組みが評価される中で、ついには薬学部の学生向けに薬局薬剤師の栄養指導を10年以上講義するようになりました。
こうして、健康フェアをきっかけに始まった取り組みが社内外に広がり、私自身のキャリアの幅もどんどん広がっていきました。
この経験は、私にとって非常に貴重な財産となりました。
心理カウンセリング研修をスタート
この時期、薬剤師として地域住民にもっと寄り添うためにどうすればよいかを真剣に考えていました。
薬剤師が地域で最も信頼される身近な医療従事者になるためにはどうすれば良いか?
その答えを探し続けていました。
そこで思いついたのが、心理カウンセリング研修の立ち上げです。
患者さんの心のケアまで含めて対応できれば、もっと地域住民の信頼を得られるのではないかと思ったんです。
この研修は、健康フェアと同じく『薬剤師の職能拡大』をテーマにした取り組みのひとつとして進めていきました。
研修受講者の感想にもあるように、心理カウンセリング研修を始めたことで、患者さんの声に耳を傾ける薬剤師の新しい姿を描くことができました。
この取り組みは、地域住民との距離を縮める大きな一歩になったと感じています。
心理カウンセリング研修に関する詳細はこちらをご覧ください↓
40代の経歴
40代に差し掛かると、周囲からは大学で講義をしたり、アメリカ研修の担当をしたりと、充実しているように見えていたかもしれません。
実際、毎年大学で栄養学の講義を担当し、薬剤師が実践的に活用できる栄養学のノウハウを自分なりにまとめました。
その内容は、Amazonで電子書籍として出版することもできました。
しかし実は、この頃、薬局薬剤師としてのキャリアに関してはかなり悩んでいた時期でもありました。
どのようにキャリアを築いていくべきかを真剣に考え、模索していたのです。
そんな中、少しずつ自分の中で転機が訪れ、新しい道が見えてきました。
人事部で見た薬剤師の転職理由
この時期、私は社内の人事部に異動し、新入社員や管理薬剤師の教育体系の作成や研修の実施を任されるようになりました。
その中で、優秀な薬剤師たちが次々と転職していくのを目の当たりにしました。
転職の理由はさまざまですが、特に印象的だったのは、
ここではこれ以上学べることがないから、環境を変えてもっと勉強したい
という言葉でした。
薬剤師のキャリアについて考える
人事部で働く中で、薬剤師のキャリアについて何度も悩みました。
薬剤師という職業は、社会的には『良い仕事』として評価されていますが、実際にはキャリアの行き詰まりを感じやすいと感じていました。
薬局薬剤師のキャリア形成ってどのようにしていくべきか…?
特に、薬局薬剤師として数年経つと、次に目指すべき目標を見失ってしまうことが多いんですよね。
医師のように専門性を深める機会がない中で、薬剤師としてどんなキャリアを積んでいくべきか、常に悩んでいました。
WEBの世界との出会い
そんな中、WEBの世界に出会いました。
その瞬間、『これだ!』と思ったんです。
WEBを活用すれば、薬剤師が自分のキャリアを自由に創造できるのではないか?
そう思い、これからは自分の得意分野をWEB上で発信できるようなサイトを作ろうと決意しました。
これまで栄養学の分野でキャリアを築いてきましたが、今後は薬剤師が自分の強みを発信できるようにサポートしたい。
そんな思いが強くなりました。
薬局教育部を作るまでの経緯に関する詳細はこちらをご覧ください↓
40代からのキャリアの決意
私は、会社の仕事の合間にWEBサイトの構築やSEOの勉強を始めました。
自分の時間をWEBマーケティングに注ぎ込むことで、他の人以上にスキルを身につけることができました。
その経験を活かし、以前一部のグループにWEBマーケティングの方法を教えたことを思い出し、もっと多くの薬剤師が自分のキャリアを築けるように支援したいと考えるようになりました。
そこで、このWEBサイト(薬局教育部)を立ち上げることを決意しました。
これからの20年間、薬剤師がWEBサイトを活用して自分らしいキャリアを築けるよう、『薬局教育部』のWEBサイトを通じてサポートしていきます。
私の目標は、これまでの経験を活かして、薬剤師一人ひとりが自分の強みを発揮できるよう支援することです。
最終的には、薬局薬剤師が自分のキャリアを自由に設計できる世界を実現したいと考えています。
そのために、薬剤師が新たな挑戦をし、自分の理想とするキャリアを築けるような環境を作りたいと思っています。
薬剤師の皆さんが、自信を持って未来に向かって進んでいけるよう、少しでも役に立てることができればと思っています。
この目標を達成するため、これからも努力していきます。
職務経歴まとめ(過去)
1996年に大阪薬科大学(現:大阪医科薬科大学)卒業後、大手ドラッグストアに入社後の職務経歴をまとめてみました。
期間 | 職務内容 |
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1996年4月〜1999年6月 | ・ドラッグ運営部に所属し店舗での業務を経験 ・この時、現場の最前線で商売というものの本質を学ぶ ・医薬品担当→日用雑貨担当などの責任者を経て、副店長になる直前に、入社前から希望していた『ドラッグストアの小売を経験した後に調剤薬局部門に異動したい』という希望を通してもらい調剤営業部へ転属配置 ・この期間中、会社から許可を頂きオーストラリアのワーキングホリデーに行き1年間休職 ・オーストラリア滞在の後半3ヶ月はオーストラリア大陸をバックパッカーで周遊し、その当時の日記を書籍として出版(グレートディスカバリー) |
1999年7月〜2003年2月 | ・調剤営業部に所属し薬局店舗での業務を経験 ・一般勤務薬剤師→管理薬剤師→薬局長を経験 ・管理薬剤師兼薬局長として勤務している際には、エリアの後任管理薬剤師・薬局長の育成も行う ・後半はエリア全体のマネジャー的な働き方を開始 |
2003年3月〜2012年2月 | ・エリアでのマネジメントが評価され、16店舗を管轄するブロック長に就任 ・就任当時、関西の店舗は16店舗しかなく、関西の全店を管轄するブロック長を経験 ・この期間中、店舗が増えていき地区編成を何度か繰り返す ・この期間中に、社内のアメリカ視察研修のリーダー、社内の健康フェアの立ち上げ、様々な大学での特別講義、心理カウンセリング研修の立ち上げなど、様々な経験を積み、現在の強みの基礎となる力を身につける |
2012年3月〜2018年2月 | ・ここから人事部に所属し、これまでの現場経験をどんどん形にしてきた(形式知化)時期 ・ドラッグ店舗と調剤店舗の両方の経験と実績を認められ、社内研修の企画・作成・講師までの全てを ・今までの経験と人脈、社内での実績などから、社内アメリカ研修の企画・実施・現地ガイド、大学からの講師依頼やラジオ出演なども増え、北陸大学での未病対策特論の特別講義を10年以上行うことになる ・薬局長(管理者向け)の人材育成プログラムもこの時に作成、講師として実施 |
2018年3月〜 | ・ここから調剤営業部に転属 ・調剤営業部内の様々な業務と人材育成に関わる ・調剤営業部内での教育の仕組みづくり、M &A後の店舗での指導の仕組み作りや実施、社内オンラインマニュアルの作成など、今までの経験をどんどん形にする ・現在に至る |
これからの職務経歴(未来)
これからの20年間、私は薬剤師のキャリア支援に力を入れていこうと考えています。
そのために、WEBサイト作成や動画編集、オンラインマニュアル作成の知識を、できる限り多くの方にお伝えできればと思っています。
このサイトでも、これらのノウハウをできるだけ公開し、皆さんの役に立つ情報を提供できるよう努めています。
また、このサイトで紹介している方法を実践することで、薬剤師のキャリア支援に必要な基本的な知識を身につけることができます。
『薬局薬剤師にキャリアを』というテーマで、これからも薬局薬剤師が自分らしいキャリアを築けるようサポートを続けていきます。
得意分野・スキル
現在、これまでの経験を活かしながらセカンドキャリアの準備を進めています。
自分がこれまで培ってきた強みを活かし、社会に貢献することを目指しています。
特に貢献できると考えている分野は、次の3つです。
- 研修プログラムの作成と実施
- WEBサイト作成・動画編集
- 登録販売者・薬剤師向け栄養指導研修
研修プログラムの作成と実施
ブロック長時代から10年以上、新入社員、中堅社員、店長・薬局長(管理者)向けの研修を行ってきました。
特に中堅社員や管理者向けの研修に注力しており、外部研修を社内で内製化して運営した実績もあります。
管理者研修では、3年以上にわたってカリキュラムと内容をパッケージ化し、講師として実施してきました。
この研修では、管理者が必要なマネジメントスキルを高めることを目的に、傾聴やアサーション、問題解決、リスクマネジメント、栄養指導などを扱っています。
さらに、中堅社員や管理職初心者向けの実践的な研修パッケージも作成し、現場ですぐに活用できる内容を提供しています。
受講者からは『分かりやすい』『実践的で役立つ』とのフィードバックをいただいています。
社外でも実績があり、ラジオ番組に出演したり、北陸大学で『未病対策特論』の特別講義を10年以上担当するなど、実践的なスキルが求められる研修でも高く評価されています。
WEBサイト作成・動画編集
私は、WEBサイト作成、動画編集、オンラインマニュアル作成を得意としています。
現在、自分が運営するWEBサイト『薬局教育部』を通じて、これらのノウハウを提供しています。
具体的には、WordPressを使ったWEBサイト作成や、効果的な動画編集技術、オンラインマニュアル作成の方法についての情報をお伝えしています。
また、『薬局教育部』では、薬局薬剤師のキャリア支援に役立つコンテンツも提供しています。
これにより、薬剤師が自分のキャリアを築くためのサポートを行い、WEBを活用した教育や情報提供に力を入れています。
これらのスキルと知識を活かし、WEBを活用した教育コンテンツ作成に取り組んでいます。
登録販売者・薬剤師向け栄養指導研修
私は、登録販売者や薬剤師向けに、店頭での栄養指導に特化した研修を実施しています。
この研修は、現場ですぐに活用できる内容を提供しており、受講者から高く評価されています。
また、北陸大学薬学部で10年以上にわたり特別講師を務め、テレビやラジオにも出演した経験があります。
これらの経験を活かし、研修内容は実践的で即役立つと好評をいただいています。
特に、社内外での研修内製化に関するスキルに自信があり、多くの方々に価値を提供できると確信しています。
彼女がワーキングホリデーでニュージーランドに行ってるんだ…