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薬局薬剤師のための目標設定研修①|強みの診断

目標を立てたけど、なかなか続かない…

最初はやる気があったのに、気づいたら忘れていたり、途中で諦めてしまったり…

こんな経験ありませんか?

でも、実はこれ、『意志が弱いから』と思いがちですが、それが全てじゃないんです。

では、なぜ目標達成に向けての行動が続かないのでしょうか?

それは、最初の目標設定の仕方が間違っているからなんです。

間違った目標の立て方だと、結局行動に繋がりません。

『もっと意志を強く持たなきゃ』と自分を責めることもありますが、実はその考えが逆効果。

目標の立て方が間違っているから、行動が続かないんです。

このシリーズでは、目標設定の大切さと、どうすれば続けられる目標を立てられるかを解説します。

今回は、目標設定がなぜ大事かを改めて整理し、正しい目標設定の手順を紹介します。

正しい設定ができれば、不思議と行動がスムーズに進みます。

『やらなきゃ』という気持ちじゃなくて、『あれ、気づいたらやってた!』って感じになりますよ。

ぜひ、試してみてください。

目標設定が重要な理由

なぜ目標設定が大事なのかを改めて考えてみましょう。

ちょっと有名な話ですが、『3人のレンガ積み職人』のエピソードをご紹介します。

この話を聞くと、目標の有無で仕事の意味や成長がどう変わるのかが、グッとイメージしやすくなります。

3人のレンガ積み職人の話

出典:イラストAC

建設現場で働く3人のレンガ職人。

それぞれに同じ仕事を任されていますが、『目標』がまるで違います。

1人目(左)

『レンガを積んでるだけだよ』
→ただ作業をこなしているだけ。
特に目的もなく、淡々と働いています。

2人目(真ん中)

『この仕事で家族を養うために頑張ってる』
→生活費を稼ぐために働いている。
家族のためという明確な目的はあるものの、それが唯一の理由です。

3人目(右)

『歴史に残る大聖堂を作ってる』
→世の中に残る大きな仕事をしているという誇りと使命感を持って働いています。

同じレンガを積んでいるのに、この3人の働き方はまるで違いますよね。

このまま続けていけば、3人の未来はどう変わっていくでしょうか?

1人目は、おそらく一生ただレンガを積むだけで終わります。

やらされ仕事なので、成長は見込みづらいでしょう。

2人目は家族を養うために頑張っていますが、もし家庭の状況が変わったらどうでしょう?

子どもが独立したり、家計が安定したりすれば、『頑張る理由』がなくなってしまいます。

すると、仕事への情熱が一気に冷める可能性があります。

3人目は、目の前の作業が世の中に貢献する大きな仕事だと捉えています。

その意識があるからこそ、技術を磨いたり、効率を上げたりと自然と成長していけます。

結果的に、さらに大きな仕事を任されるようになるかもしれません。

薬局薬剤師にとっての目標設定

この話、薬局で働く私たちにも当てはまります。

調剤や服薬指導は、どうしても日々のルーチンワークになりがちです。

『今日も淡々と処方箋通りに薬を渡して終わり…』と、ここで紹介した1人目のレンガ職人のように働いていると、やりがいを感じにくくなります。

でも、例えばこんなふうに考えてみたらどうでしょう?

この患者さんが安心して治療を続けられるように支えよう

自分の服薬指導で、患者さんが少しでも前向きになってくれたらいいな

地域で頼られる薬剤師になりたい

ただ薬を渡すだけじゃなく、『誰かの役に立っている』と思えたら、仕事への向き合い方が変わってきますよね。

目標があると、単調に思えた仕事にも意味が生まれます。

そしてそれが、自分自身の成長につながっていくんですね。

目標設定の効果

では、具体的に目標を持つとどんな変化があるのか?

薬局での仕事をイメージしながら考えてみましょう。

方向性が明確になる

目標を持つと、『自分は何を目指しているのか?』がはっきりします。

たとえば『患者さんにもっと分かりやすい説明をしよう』と決めたら、日々の服薬指導で自然と伝え方を工夫するようになります。

目標があるから行動が具体的になり、仕事に意味を感じやすくなります。

やるべきことに集中できる

目標があれば、無駄なことに振り回されにくくなります。

『かかりつけ薬剤師として信頼を得る』という目標があれば、服薬指導の質や患者さんへの声掛けを意識するようになります。

目指すものがあるからこそ、必要なことに集中できるようになります。

自己成長につながる

目標に向かって努力する過程で、新しい知識やスキルが身につきます。

『在宅医療にも関わりたい』と目標を立てたら、在宅業務の勉強会に参加したり、経験者にアドバイスを求めたりと自然と行動が変わります。

目標があるから、成長に向かって動けます。

モチベーションが続く

目標に向かって少しずつ前進していると、達成感が得られます。

『患者さんに毎回必ず一言アドバイスする』という目標を続ければ、『この前のアドバイスが役に立ったよ』と患者さんから言われるかもしれません。

そうした成功体験がモチベーションになり、次のステップに進む原動力になります。

目標設定は成長へのスタートライン

目標は、決して大げさなものでなくていいんです。

患者さんの不安を少しでも減らしたい

もっと信頼される薬剤師になりたい

といった気持ちで十分です。

こういう思いがあるだけで、仕事への向き合い方が変わってきます。

私たち薬局薬剤師は、患者さんにとって身近な存在です。

だからこそ、目標を持って日々の仕事に取り組むことで、患者さんの安心や健康を支える存在になれます。

そして目標設定は、自分の成長にもつながります。

『ただ薬を渡す人』ではなく、まずは1日に1人からでも良いので『患者さんの生活に貢献できる薬剤師』を目指して、目標を持って進んでいきましょう。

正しい目標設定の3つの手順

さて、目標設定の大切さはお伝えしたので、ここからは実践編です。

正しい目標設定の方法を3つのステップでご紹介します。

まず大事なのは『自分に合った目標を立てること』です。

目標って、ただ立てればいいわけじゃないんですよね。

大切なのは自分の強みを活かせる目標にすること。

これが達成率をグンと高めます。

たとえば、患者さんへの服薬指導が得意な人が『在庫管理のプロになる!』と目標を立てても、いまいちモチベーションが上がらないかもしれません。

逆に、得意分野を伸ばす方向なら、成長も感じやすいし、前向きに取り組めるはずです。

苦手なことばかりを目標にすると挫折しやすいんですよね。

あ~もう無理だ…

ってなって、続かなくなります。

だからこそ、自分の強みを知ることが目標設定の出発点になります。

では、目標設定の3ステップを紹介します。

STEP

強み診断を実施
まずは自分の強みを把握するところからスタートします。
『自分って何が得意だっけ?』と振り返ることで、目標設定がグッと具体的になります。

STEP

強みに基づく目標設定
自分の強みを活かせる目標を立てます。
たとえば、患者さんとの会話が得意なら『服薬指導で患者さん満足度を上げる』とか、接客力を伸ばす目標にするイメージですね。

STEP

行動計画を立てて実行
目標を達成するために具体的なアクションプランを決めます。
『患者さん満足度を上げる』が目標なら、『服薬指導で患者さんの質問に1つ多く答える』『質問しやすい雰囲気を意識する』など。
こんなふうに、具体的な行動計画を立てて行動に移せるようにします。

このように強みを活かした目標設定の良いところは、『やらされてる感』がなくなることです。

この3ステップで目標を設定すれば、『やらなきゃいけないからやる』ではなく、自分からやりたくなる目標になります。

つまり、自然と前向きに行動できるようになるんです。

目標を立てるときは、まず自分の強みを把握することがポイント。

このあと、この最初のステップである『強み診断の実施』について具体的にお話しします。

強み診断を実施【Step1】

目標設定で一番大事なのは自分に合った目標を立てることでしたよね。

そのためにはまず、自分の強みを把握することが欠かせません。

でも、『自分の強みって何だろう?』と聞かれてすぐに答えられる人は少ないはず。

だからこそ、強み診断ツールを使って客観的に分析するのがおすすめです。

ここでは、自分の強みを具体的に知るのに役立つ診断ツールを3つご紹介します。

強み診断ツール
  • ストレングスファインダー
    →34の資質から強みを特定
  • VIA強み診断
    →24の人格的な強みを分析
  • グッドポイント診断
    →18種類の自分の強みを特定

ではそれぞれ具体的に紹介していきます。

ストレングスファインダー(StrengthsFinder)

出典:ストレングスファインダー(書籍)Amazon

自分の強みって何だろう…?

と考えたとき、『なんとなくイメージはあるけど言語化できない…』なんてことありませんか?

そんなときに役立つのが、ストレングスファインダー(Strengths Finder)です。

ストレングスファインダーってどんな診断?

これは米国ギャラップ社が開発した診断ツールで、世界中で2,500万人以上が受けています。

診断を受けると34種類の資質のうち、自分の強みTOP5が分かります。

自分の強みが具体的な資質で示されるので、仕事への活かし方がイメージしやすいのが特徴です。

薬剤師ならこんな活用ができる

『調和性』が強みの場合

→チーム内で意見が対立したときに、橋渡し役として調整役を担う。

→円滑なコミュニケーションで職場の雰囲気を良くする。

『達成欲』が強みの場合

→日々の調剤業務でも常に効率と精度を高める工夫を続ける。

→PDCAサイクルを意識しながら自己成長を促進する。

『学習欲』が強みの場合

→最新の薬剤情報やガイドラインを積極的にキャッチアップする。

→知識を共有することで、チーム全体のスキルアップに貢献する。

診断方法と費用

ストレングスファインダーは、書籍を購入すると付属のアクセスコードで診断が受けられます。

古本を購入すると、すでにそのアクセスコードは使用されていて診断を受けられない場合がほとんどなので注意してください。

価格は2,420円(2025年3月時点)と有料ですが、18ページもの詳細なフィードバックが得られるため、かなりコスパは高いです。

診断結果には、自分では気づきにくい強みや、強み同士の組み合わせを仕事でどう活かせるかといった具体的なアドバイスがしっかり記載されています。

個人的には数万円の価値があるレベルの自己分析ツールだと思っています。

おすすめです。

出典:ストレングスファインダー(診断結果)

VIA強み診断(VIA Character Strengths)

出典:The VIA Character Strengths Survey

自分ってどんな人間なんだろう…?

日々の業務に追われていると、自分の人柄や価値観をじっくり見つめ直す機会って意外と少ないですよね。

そんなときに役立つのが、VIA強み診断(VIA Character Strengths)です。

VIA強み診断ってどんな診断?

VIA強み診断は性格や人柄に特化した診断ツールで、24種類の人格的な強みを分析します。

診断結果では、あなたの強みが分かります。

ビジネス寄りのストレングスファインダーとは異なり、人柄や価値観に基づいた強みが見える化されるのが特徴です。

さらに、無料で受けられるので気軽に試せるのもメリットです。

薬剤師ならこんな活用ができる

『親切心』が強みの場合

→患者さんへの声かけや接客をさらに丁寧にする。

→たとえば、服薬指導時にちょっとした気遣いをプラスすることで、患者さんの信頼度がアップ。

『公平性』が強みの場合

→チーム内で役割分担を公平に調整する。

→シフトや業務分担で偏りがないように気を配ることで、働きやすい職場作りに貢献する。

『希望』が強みの場合

→前向きな目標設定やキャリアビジョンを描く。

→ 『この業務を習得すれば患者さんにもっと貢献できる』といったポジティブな未来像を意識することで、日々のモチベーションアップに繋げる。

診断方法と費用

VIA強み診断はWeb上で無料で受けられます(日本語版あり)。

所要時間は約15分ほどで、診断後はすぐに結果がこのような感じで表示されます。

出典:The VIA Character Strengths Survey

グッドポイント診断(リクナビNEXT)

出典:グッドポイント診断(リクナビNEXT)

グッドポイント診断ってどんな診断?

リクルート社が運営する転職サイト「リクナビNEXT」の無料サービスですが、転職を考えていなくても自己分析ツールとして使えるのが魅力です。

診断では18種類のビジネス強みから自分の強みを5つ抽出してくれます。

出典:グッドポイント診断(リクナビNEXT)

「柔軟性」「独創性」「継続力」など仕事で活かしやすい強みが分かるので、薬剤師のスキルアップやキャリア設計にも役立ちます。

薬剤師ならこんな活用ができる

診断結果は5つの強みが表示され、それぞれの特徴が具体的に解説されます。

これを業務に活かすことで、日々の働き方に変化をつけられます。

『柔軟性』が強みの場合

→新しい調剤機器や電子薬歴の導入時に、臨機応変に対応

『独創性』が強みの場合

→業務効率を上げる新たな提案や工夫を考案

『継続力』が強みの場合

→日々の服薬指導でコツコツ改善を積み重ねる

診断方法と費用

リクナビNEXTに登録すれば、Webで無料診断ができます。

所要時間は約30分で、診断後すぐに下記のような5つの強みとその説明が表示されます。

出典:グッドポイント診断(リクナビNEXT)

実際の活用方法

強み診断をどう使えばいいか、具体的に見ていきましょう。

ビジネス目標に直結させたい場合

仕事で成果を上げるために自分の強みを活かしたい場合は、ストレングスファインダーかグッドポイント診断がおすすめです。

たとえば、『戦略性』『決断力』『柔軟性』など、ビジネスシーンで発揮しやすい強みが分かるので、日々の業務改善やキャリア設計に役立ちます。

人柄や個性を大事にしたい場合

患者さんやチームとの関わり方を見直したいなら、VIA強み診断がぴったりです。

『親切心』や『公平性』など、人間性に関わる強みが分かるので、接遇やチーム内コミュニケーションで自然と自分らしさを活かせます。

コストを抑えたい場合

費用をかけずに自己分析したい場合は、グッドポイント診断+VIA強み診断の組み合わせがおすすめです。

どちらも無料で手軽に受けられるうえ、ビジネスと人間性の両面から自分の強みを知ることができます。

本気で自己理解を深めたい場合

薬剤師として本気で成長したいなら、ストレングスファインダー+VIA強み診断の組み合わせが最もおすすめです。

ストレングスファインダーで仕事で活かせる強みを把握し、VIA診断で人間性や価値観に根ざした強みを知ることで、薬剤師としての成長に役立ちます。

この2つを組み合わせれば、仕事と人間性の両面から強みを把握できるので、『患者さんへの対応に自分らしさを活かすには?』『もっと効率的に成果を出すには?』といった具体的な目標設定にも役立ちます。

自分の可能性をもっと広げたい薬剤師さんに、ぜひ試してほしい診断です。

まとめ

薬局薬剤師向けの目標設定研修の第1回目。

今回は、目標設定をしっかり機能させるために『自分の強みを知ること』の大切さについてお話ししました。

目標を立てるときに最初に自分の強みを把握しておくと、無理なく自分らしく取り組める目標になるので、達成しやすくなります。

さらに、モチベーションも維持しやすくなるので、途中で失速しにくいのがポイントです。

実際には、以下の流れで進めると効果的です。

STEP

強み診断
→自分の武器を知る

STEP

強みに基づく目標設定
→自分の特性を活かした目標を立てる

STEP

行動計画を立てて実行
→強みを武器にしてアクションを起こす

この順序で取り組むと、目標に向けた行動が自然と続きやすくなり、達成率がグッと上がります。

次回は、第2回として、『強みに基づく目標設定の仕方』について、具体的な方法をお伝えしていきます。