レベル1〜レベル10の手順で作れる『ゼロから始める動画編集』。
今回はレベル4です。
レベル4では、PowerPointのスライドショーをしながら音声を収録する動画作成の具体的な手順について、実例を用いて紹介していきます。
今回の動画編集は、演者の動画が無くても支障がない動画マニュアルなどの作成に適しています。
では、始めていきましょう!
目次
完成動画確認
このレベル4では、PowerPointで実際に動画編集をしていく手順を具体的に紹介していきます。
では、どのような動画を作っていくか、まずは完成動画をご覧ください。
薬局教育部WEBサイトの紹介を1分位(73秒)の動画で簡単に作成してみました。
これからこんな動画を作っていきます。
この後の動画編集の操作手順に従って作成していけば、初心者の方でもPowerPointを使った動画編集を行うことができるようになります。
動画編集の操作手順(実例紹介)
ではPowerPointでの動画編集の具体的な手順について、【Step1】〜【Step7】で具体的に紹介していきます。
【Step1】スライドの作成
まずは、PowerPoint(MacならKeynote)でスライドを作成していきます。
今回は1分位の動画を作成するので、まずは、4枚位のスライドをPowerPointで作成していきます。
【Step2】スライドにテキストを追加
次に読み上げるためのテキスト文章を作成していきます。
1分位の動画なので、合計のセリフの文字数は約300文字位で考えていきます。
PowerPointのスライド下のノート部分にセリフを打ち込んでいきます。
文字を入力していく際に、文字数をカウントしていくために、文字を目視でカウントするのは大変です。
そこで、『文字数カウント』というオンラインサービスを利用していきましょう。
『文字数カウント』にアクセスして、そこにセリフを貼り付けると、一瞬で文字数をカウントしてくれます。
1分位の動画の場合、300文字位のセリフになるので、この『文字数カウント』で文字を入力しながらセリフを考えていくと良いでしょう。
【Step3】トランジション効果の設定
これは少し中級者向けの内容なのですが、簡単な操作で本格的な動画に仕上がる設定なので、ここで紹介しておきます。
まずトランジションとは、動画と動画をつなぐ効果のことです。
そうですね。
具体例を出して説明した方が良さそうですね。
PowerPointで動画編集をする際、動画と動画の切れ目はスライドごとに発生します。
通常のスライドショーの場合は、スライドの切り替えは一瞬で切り替わるのですが、これを動画にする場合は、少しゆっくり切り替える効果(トランジション)にすると動画の質がグンと上がります。
完成動画をご覧になるとお気づきだと思いますが、スライドの切り替えがゆっくりとスムーズに切り替わっているのを確認できると思います。
操作は簡単です。
PowerPointの上部のタブの①の『画面の切り替え』をクリックし、②の『フェード』をクリックし、③の継続時間で『1秒』に設定します。
こうすると、完成動画のように、画面がスムーズに切り替わる効果の設定を行うことができます。
ここでのトランジションは、最も一般的な『フェード』を使用しましたが、動画の適性に応じて色々と変えても良いでしょう。
【Step4】動画の挿入
今回の動画編集では、動画内に動画を挿入しませんが、これも簡単操作で動画を挿入することができるので紹介しておきます。
PowerPointの上部のタブの①の『挿入』をクリックし、②の『ビデオ』をクリックし、ビデオをクリックして、保存している所から動画ファイルを選びます。
選択した動画がスライド内に貼り付けられ、サイズやどこに配置するかなどの場所も設定することができます。
【Step5】ナレーションの録音と挿入
次にセリフを読み上げたナレーションをスライドに貼り付けていきます。
音声は、人の音声を録音したデータを貼り付けても、読み上げソフトを使用した音声を貼り付けても、どちらでも構いません。
今回は、レベル3で紹介した『AItalk』で作成した音声を貼り付けていきます。
私が購入したのは随分前のバージョン(AItalk2)でしたので(今も使用しています)、その画面で説明していきます。
現在販売しているAItalk5ではさらにバージョンアップしているようです。
AITaikを立ち上げます。
このように、①にテキスト文章を打ち込んで『再生』を押すだけで音声変換してくれます。
より自然な声にしたい場合は、②で音程を調整し、③で音声を保存することができます。
読み上げソフトで作成した音声をパワーポイントに挿入していきます。
PowerPointの上部のタブの①の『挿入』をクリックし、②の『オーディオ』をクリックして、先ほど保存した音声を選択して貼り付けます。
これでスライドに音声の貼り付けが完了です。
音声アイコンがスライドの真ん中にくるので、スライドの外部分にドラッグ&ドロップして左上などに配置しておきます。
2枚目以降のスライドも同様の方法で音声を貼り付けていきます。
【Step6】効果音の挿入
次に効果音の挿入です。
今回の動画では特に効果音を入れませんが、挿入の仕方は、先ほどの【Step5】のナレーションお挿入の仕方と同じ方法で入れていきましょう。
レベル1でも紹介しましたが、『効果音ラボ』などから音源を拾ってくると良いでしょう。
【Step7】BGMの挿入
最後にBGMの挿入です。
今回は、『YouTubeオーディオライブラリ』からBGMを探していきます。
詳しい使い方はレベル3で紹介済なので、今回は、『Spring In My Step』という音楽をダウンロードしてBGMとして使っていきます。
ダウンロードした後、BGMの挿入は、【Step5】と同じ方法で、一番最初のスライドに挿入していきます。
これで準備は完了です。
この後は、さまざまな調整を行なっていきます。
ナレーション、BGM、アニメーションの調整
今の状態だと、スライドにナレーション、BGMなどをただ貼り付けた状態です。
なので、動画にする際に、ナレーションとBGMの音量調整、ナレーションとアニメーションのタイミングを調整していく操作を行う必要があります。
PowerPointの上部の①の『アニメーション』のタブをクリックし、②の『アニメーションウィンドウ』をクリックして調整編集していきます。
ナレーションとBGMの音量調整
スライド上部の①のスピーカーマークをクリックし、ナレーション音量は大きく、BGM音量は小さくし、②で音量調整していきます。
これでナレーションとBGMの音量調整は完了です。
ナレーション・BGMとアニメーションのタイミング調整
次に、PowerPointでスライドショーにした際に、ナレーションやBGMのタイミングに合わせてアニメーションが動くように調整する設定を行います。
この設定が完了すれば、PowerPointのスライドショーを自動再生・動画化した際に、ナレーションとアニメーションがピッタリと合った質の高い動画に仕上がっていきます。
先ほどと同様に、アニメーションウィンドウを開けて調整編集をしていきます。
まずは、挿入したBGMですが、スライドショー開始同時に音声を再生するので、下図の①のようにアニメーションの順序を一番上にします。
そして次にタイミングの設定です。
②のタイミングでは、開始は、『直前の動作と同時』にして、スライドショーが始まったらBGMが流れるようにします。
繰り返しに関しては、BGMはスライドショーの最後まで流すので、『スライドの最後まで』に設定します。
③のメディアオプションでは、今回用意した4枚のスライドの最後までBGMを流すので、表示スライド数は『4スライド』と設定します。
次にスライド1のナレーションのタイミングを調整します。
アニメーション順序は、先ほど設定した通り、2番目にしています。
タイミングの設定は、開始は『直前の動作と同時』にし、遅延を『1秒』に設定しました。
これにより、BGMが流れ始めて、ワンテンポ遅れてナレーションが入るので、最初のナレーションから聞きやすくなります。
BGMとナレーションを同時再生すると、ナレーションの最初の言葉が聞き取りにくくなるので、少しずらして(1秒位)おくと良いでしょう。
2枚目以降のスライドに関しても同様の設定を行います。
①でナレーション音声の順序を一番上にします。
②のタイミングでは、『直前の動作と同時』を選択し、遅延では『1秒』を設定します。
次にナレーションとアニメーションの調整を行なっていきます。
①のアニメーションとナレーションが同じタイミングになるように、②のタイミング設定では、『直前の動作と同時』に設定し、遅延を『3秒』に設定します。
ここの『3秒』は、実際にこのスライドをスライドショーをした際に、ナレーションとアニメーションがベストなタイミングになるように秒数を設定しました。
3枚目、4枚目のスライドに関しても、同様の設定を行なっていきます。
これで、各々のスライドの設定は全て完了です。
スライドショーの設定
では最後に、動画化直前の最終の調整を行なっていきます。
ここでは動画化する前に、スライドの切り替えるタイミングの調整や、スライドの最後にBGMをフェードアウトさせる方法について紹介します。
自動再生の設定
ここでは、動画化の前に、スライドが自動的に切り替わる設定を行なっていきます。
PowerPointの上部タブの①の『画面切り替え』をクリックし、②で『自動的に切り替え』のみにチェックを入れた状態にします。
ここの切り替えの秒数は、ナレーションが全て終わった後に次のスライドに変えるタイミングを実際に測って設定します。
ここでは、『8秒』に設定しました。
2枚目、3枚目のスライドを切り替えるタイミングも、同様の方法で設定していきます。
BGMのフェードアウト設定
いよいよ調整編集の最後です。
スライドの最後、BGMが急に『プツッ』と途切れないように、徐々に小さくなっていくフェードアウトの設定です。
この設定は絶対に必要というわけではないのですが、設定しておくとプロっぽい本格的な動画に仕上がるので紹介しておきます。
BGMのオーディオマークをクリックして選択し、PowerPointの上部タブの①の『再生』をクリックします。
②の『フェードアウト』のところに秒数を入力して、最後のスライドのナレーションが終わったタイミングに時間を設定します。
これで全ての設定が完了です。
動画としてエクスポート
全ての編集・設定が完了したのでいよいよ動画化です。
動画化を行う際に、下記の3つの設定を行なって動画化します。
- 動画ファイル形式の選択(MP4)
- 解像度と画質の設定(用途に応じて選択)
- 動画のエクスポートと保存先
PowerPointの『ファイル』→『エクスポート』をクリックします。
↓↓↓
すると下図のようなポップアップが出てくるので、ファイル名、保存場所(デスクトップ)を指定します。
①でファイル形式を『MP4』、品質をここでは『HD(720P)』を選択します。
品質に関しては、教育・研修動画、採用動画ならば、フルHD(1080P)かUltra HD(4K)の設定が良いでしょう。
最後に『エクスポート』を押すと動画が出力されて完成です。
まとめ
ゼロから始める動画編集のレベル4について紹介してきました。
今回は、PowerPointのスライドショーをしながら音声を収録する動画作成の具体的な手順について実例を用いて紹介してきました。
ここで紹介した動画編集のスキルを身につければ、動画マニュアルなどの基本的な動画編集ができるようになります。
ぜひマスターしていきましょう。
次のレベル5以降では、WindowsPCの利用者向けに、動画編集ソフトを使った本格的な動画編集の仕方について2回シリーズで紹介していきます。
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意味が分からない…