レベル1〜レベル10の手順で作れる『ゼロから始める動画編集』。
今回はレベル2です。
レベル2では、動画の素材作成として、撮影機器(スマホ・デジカメ・ビデオカメラ)を使った動画素材の準備の仕方や、ZOOMを使った本格的な動画素材の作り方について紹介します。
誰にでも見てもらえるクオリティの高い動画は正しい素材作りからです。
まずはここで紹介する動画素材作成のテクニックを自分のものにしていきましょう。
きちんとした動画素材の準備ができると、レベル3以降で紹介する動画編集を行なっていけば、閲覧者にとって見やすく・分かりやすいクオリティの高い動画に仕上がっていきます。
では、始めていきましょう!
目次
撮影機器を使った動画素材の作り方
まずは撮影機器(スマホ・デジカメ・ビデオカメラ)を使った動画素材の作り方について紹介します。
【Step1】〜【Step5】の手順で動画素材の撮影を行なっていきましょう。
【Step1】撮影の計画を立てる
動画素材を撮影する際にも、いきなり録画では良い素材を作ることはできません。
事前準備が必要です。
そうですね。
動画素材の撮影前には撮影計画を立ててから行うようにします。
撮影計画とは、撮影前にまずは下記の3点についてきちんと決めておくことです。
- 動画のテーマを決めておく
- 動画のシナリオを決めておく
- 動画の長さを決めておく
1つずつ解説していきます。
動画のテーマ
まずは、何のためにその動画を作るかという目的を明確にしておくことです。
ここを明確にしておかないと、何を撮影すべきか、どういったアングルが良いか、動画の長さはどれくらいかなどが後になってブレてきます。
閲覧者にとって、どういったメリットをもたらす動画なのかをしっかりと事前に決めておきましょう。
動画のシナリオ
シナリオって何を考えれば良いの?
あまり難しく考える必要はありません。
シナリオに関しては、例えば下図のようなシートに、ザックリと下書きをしておくと撮影がスムーズに進みます。
①には簡単なスケッチを書いて、②には何を伝える目的でこのアングルを選んでいるのかを書き、③ではそこでのセリフを記しておきます。
このようにしておけば、他の人にも情報を共有しやすくなり、様々な意見を聞きながら良い動画作りを行なっていくための準備が整います。
動画素材の撮影前には、こういったシナリオを必ず作って他の人にも事前に共有しておきましょう。
動画の長さ
撮影計画を立てるときの最後のポイントは動画の長さをあらかじめ決めておくことです。
これに関しては私は随分と失敗してきました…。
動画にはその用途機能に応じた最適な時間の長さがあることを思い知らされたのです。
- 動画マニュアル(1分位まで)
- 採用動画(3分位まで)
- 研修動画(15分位まで)
上記に示した時間を超えてしまうと、いくら内容が素晴らしい動画であっても閲覧すらしてもらえないことが多くなることが分かりました。
動画は長すぎると、残念ながら見てもらうことすらしてもらえないんですね。
各用途に応じた動画の適切な長さを意識して動画素材を撮影していきましょう。
【Step2】撮影機器の準備
次のステップは撮影機器の準備です。
これに関してはレベル1でも紹介しましたので簡単に解説しておきます。
レベル1で紹介したまとめの表をもう一度記しておきますね。
- スマホ…手軽に高画質の動画撮影ができ、すぐに共有できる
- デジカメ…静止画・動画を高画質で録画でき、レンズの設定が豊富
- ビデオカメラ…長時間で高性能な動画撮影が可能
これらの3つの撮影機器の特長を把握した上で、用途に応じた撮影機器を選んでいきましょう。
まとめると下記の通りです。
- 動画マニュアル…スマホ・デジカメ
- 採用動画…デジカメ・ビデオカメラ
- 研修動画…ビデオカメラ(三脚・照明機器含む)
【Step3】撮影場所の選定
次のステップは撮影する場所の選定です。
撮影場所に関しては、下記の3つのポイントに気をつけておくと良いでしょう。
- できるだけ明るい場所を選ぶ
- できるだけ静かな場所を選ぶ
- 撮影背景は無地にする(背景に模造紙などを使用)
特に被写体が人の場合は、この後の編集作業をする際に、背景の写り込みがないようにしておくほうが良いので、模造紙などを使って無地の背景を準備しましょう。
【Step4】撮影直前のセッティングを行う
【Step3】まで準備ができたら、いよいよ撮影を開始していくための直前の準備を行っていきます。
撮影直前のセッティングとしては下記の3つのポイントを抑えておきましょう。
- 撮影機器の設定
- 音声のテスト
- 照明の調整
1つずつ解説していきます。
撮影機器の設定
撮影機器を選定し、解像度やフレームレートを調整します。
研修や採用動画は、1080p (Full HD)の解像度にし、比較的大きな画面で見ても映像が綺麗に映るようにしておきましょう。
動画マニュアルなどの場合は、サイトにアップロードする時のことを考えると、もう少し解像度を落としてデータ容量を少なめに抑えておくことが重要です。
フレームレートは30fpsで十分ですが、動きの激しい動画の場合は60fpsの方が良いかもしれません。
音声のテスト
実際に撮影した音声がどのように録音され出力されるかをあらかじめ試しておきましょう。
照明の調整
被写体が影にならないように、自然光を上手く利用するか、リングライトなどの補助照明を用意したりしましょう。
【Step5】実際に撮影を行う
最後に実際に撮影を行う際のポイントについて解説します。
先ほどの【Step4】で紹介した撮影直前のセッティングのあと、実際に撮影する際、撮影後の注意点に関して3つ記しておきます。
- 撮影機器の確認(バッテリーやメモリ容量)
- 撮影シナリオの共有(前もって配布)
- 撮影の確認とデータバックアップ
1つずつ解説していきます。
撮影機器の確認
撮影をしていると撮影機器の充電が無くなりやすくなります。
撮影中に撮影中止のトラブルが起きないように、バッテリーやメモリ容量(SDカードなど)は念のために予備を用意しておきましょう。
撮影シナリオの共有
撮影のシナリオを事前に出演者や補助者にも配布しておき、当日の流れを事前に全スタッフに共有しておきましょう。
こうしておくことで、当日の撮影は桁違いにスムーズに進行します。
撮影の確認とデータバックアップ
撮影した後にその場で録画した素材動画を全員で確認しておきましょう。
撮影当日以降の撮り直しは原則できません。
動画素材が予定通りの仕上がりになっているかをその場で確認し、問題なければ、必ずその場でコピー(バックアップ)をとっておきましょう。
動画の保存は常に2つの媒体で行っておくと、万が一データが消えた時にも安心です。
ZOOMを使った動画素材の作り方
先ほどは撮影機器を使用した動画素材の撮影に関して紹介してきました。
ここから紹介するZOOMを使った動画素材の作成は、教育・研修動画の素材作成で私が最もおすすめの方法です。
事前準備を行えば、いつでも、どこでも(自宅でも)、一人でも下図のような動画素材を作成することができます。
すでにレベル1でも紹介しましたが、
①にはスライド、②には演者の動画、③には画像を貼り付けて(講義の目次など)、スライドと映像と音声を全て同時に収録することができます。
あなたが教育・研修動画を作成する際には、初心者のうちは、ぜひZOOMの機能を使ったこの方法をご利用ください。
おすすめです。
では、具体的に紹介していきます。
ZOOMでの撮影準備
ZOOMで動画素材の撮影する前に、下記の5つの準備をしておきます。
- ZOOMの無料アカウントを登録する(Gメールで誰でも可能)
- インターネットの繋がる場所で撮影を行う
- PowerPoint(Keynoteでも可能)の入ったPC
- WEBカメラと音声マイクを準備する(PC内蔵でも可能)
- 撮影場所・撮影前後の準備に関しては、先ほどのStep3〜Step5の方法と同じ
1つずつ解説していきます。
ZOOMアカウント作成
すでに持っている方も多いかもしれませんが、まずはZOOMの無料アカウントを開設しておきましょう。
Gメールアドレスを持っていれば、誰でも無料で簡単に作成することができます。
これでZOOMの録画機能を使って動画素材の作る第一段階の準備が完了です。
インターネットの繋がる環境
ZOOMは、インターネットを使用してオンライン上でテレビ会議のようにミーティングを行うことができるWeb会議サービスです。
ZOOMの機能を使って動画素材を録画するので、撮影場所はインターネットが安定して繋がる環境が必要です。
PowerPoint(Keynote)の入ったPC
ZOOMの録画機能を使って録画する場合、PowerPointやKeynote(Macのプレゼンソフト)でスライドをめくりながら、演者の動画と音声を同時に録画する方法が最もおすすめです。
そのためにスライドはPowerPointで作成するか、MacのKeynote(プレゼンソフト)で作成し、実際にスライドショーで話しながら撮影するのがおすすめです。
WEBカメラと音声マイクの準備
ZOOMの録画機能を使って撮影する際に、WEBカメラと音声マイクが必要になってきます。
最近のPCにはWEBカメラも音声入力マイクも標準装備されているケースが増えてきています。
PCの場合、WEBカメラの映像はそこそこ良くなってきているのですが、音声入力はPCの性能によってかなり差があるように思えます。
一度、PCで録画してその画質と音声を前もってチェックしておきましょう。
演者の画像は、映像画面が小さいのでそれほど良くなくても構いませんが、音声マイクは別売りの外付けのものを使用することをおすすめします。
撮影場所・撮影前後の準備
これに関しては、先ほど紹介した『撮影機器を使った動画素材の作り方』の【Step3】〜【Step5】を参照してください。
ZOOMでの録画の仕方
ZOOMでの動画素材の撮影の準備ができたら、いよいよ録画の準備です。
レベル1でも紹介したように、下図のように①スライド、②演者の動画、③目次などの表示のスタイルで作成していく手順を紹介していきます。
では手順を紹介していきますね。
PowerPointのスライドの背景を塗りつぶす(何色でも可)。
塗りつぶしたパワーポイントの左部分にスライドのコンテンツ部分を配置し、右上に『いらすとや』からテレビのイラストを配置し、右下に目次の画像を貼り付ける。
2枚目以降のスライドも、この配置でスライドを作成する。
ZOOMにログインし、『新規ミーティング』をクリックして、ミーティングを開始します。
するとWEBカメラに映った演者の画像が画面に映し出されます。
この画面の下のタブの『画面共有』をクリックし、前もって開いておいたPowerPointのスライドを選択し『共有』をクリックします。
PowerPointの『スライドショー』でスライド映写画面にして、右上の演者の画像をカメラの大きさに揃える。
これで撮影準備完了です。
次は実際に録画していきます。
ZOOM画面の上の方にマウスを合わせると、ZOOMのメニュー画面が出てくるので、①の『詳細』をクリックするとポップアップが出てくるので、②の『このコンピューターにレコーディング』をクリックする。
すると録画をスタートできます(40分間の制限)。
動画素材の録画が終えてZOOMのミーティングを閉じると自動的に録画した映像がPCに保管されます。
この手順でZOOMで録画を行うと、簡単に本格的な動画素材を作成することができます。
まとめ
ゼロから始める動画編集のレベル2について紹介してきました。
今回は、動画の素材作成として、撮影機器(スマホ・デジカメ・ビデオカメラ)を使った動画素材の準備の仕方や、ZOOMを使った本格的な動画素材の作り方について紹介してきました。
ここで基本的な動画素材の録画の仕方をマスターすることで、クオリティの高い動画を作成していくことができます。
次のレベル3とレベル4では、PowerPointを使用した動画編集の仕方について2回シリーズで紹介していきます。
じゃ、何から準備していけば良いか分からない…